変換先バッファ確保の new で例外処理を行わないように std::nothrow 指定追加

[beru]

new で例外が起きたら catch で捕まえてポインタに NULL を設定する記述を std::nothrow 指定するように置き換えました。

new している箇所は他にもいっぱいありますが、それらについてどうしてるのかは良く分かっていません。

[berryzplus]

コードを触るより先に、どうあるべきかを話たほうが良さそうな話題です。
すでに issue #53 が立ってますし。

ぼくの認識

• 普通のnew 失敗したら std::bad_alloc例外。std::unexpectedが呼ばれる？
• nothrow new 失敗したらabort。std::terminateが呼ばれる

このへん詳しくはないので、用語は間違ってるかも知れません。

[beru]

そういえば #53 がありましたね。そこでちゃんと議論した方が良いんでしょうか？

下記のプログラムを書いて調べてみました。

#include <stdio.h>
#include <new>
#include <iostream>

void test_new(size_t sz)
{
	std::cout << "sz : " << sz/1024/1024 << "MiB" << std::endl;
	// try catch 使用
	{
		char* p1 = nullptr;
		char* p2 = nullptr;
		try {
			p1 = new char[sz];
		} catch (std::bad_alloc& e) {
			std::cout << "p1: " << e.what() << std::endl;
		}
		try {
			p2 = new char[sz];
		} catch (std::bad_alloc& e) {
			std::cout << "p2: " << e.what() << std::endl;
		}
		delete[] p1;
		delete[] p2;
	}
	// nothrow 使用
	{
		char* p1 = nullptr;
		char* p2 = nullptr;
		p1 = new (std::nothrow) char[sz];
		if (!p1) {
			std::cout << "p1 new failed." << std::endl;
		}
		p2 = new (std::nothrow) char[sz];
		if (!p2) {
			std::cout << "p2 new failed." << std::endl;
		}
		delete[] p1;
		delete[] p2;
	}
	std::cout << std::endl;
}

int main(int argc, char* argv[])
{
	test_new(1U << 29);
	test_new(1U << 30);
	test_new(1U << 31);
	if (sizeof(size_t) == 8) {
		test_new((size_t)(1ULL << 32));
		test_new((size_t)(1ULL << 33));
		test_new((size_t)(1ULL << 34));
		test_new((size_t)(1ULL << 35));
	}
	
	return 0;
}

x86 Release での実行結果

sz : 512MiB

sz : 1024MiB
p2: bad allocation
p2 new failed.

sz : 2048MiB
p1: bad allocation
p2: bad allocation
p1 new failed.
p2 new failed.

続行するには何かキーを押してください . . .

x64 Release での実行結果

sz : 512MiB

sz : 1024MiB

sz : 2048MiB

sz : 4096MiB

sz : 8192MiB

sz : 16384MiB
p2: bad allocation
p2 new failed.

sz : 32768MiB
p1: bad allocation
p2: bad allocation
p1 new failed.
p2 new failed.

続行するには何かキーを押してください . . .

[beru]

という事で new(std::nothrow) の場合にメモリ確保に失敗したら nullptr が返ってくるようです。
他の挙動が起きるのかどうかは分かっていません。

https://en.cppreference.com/w/cpp/memory/new/nothrow

あとこのPRの目的としては一部のコードの記述をシンプルにする事で、（メモリ確保失敗時の挙動を踏まえて）全般的に new でメモリ確保している箇所の記述を直すつもりはありません。それは大変そうなので…。

[uzanka]

delete[] p1;
delete[] p2;

[beru]

delete[] p1;
delete[] p2;

ご指摘ありがとうございます。。
delete[] と書かないと（先頭の要素だけしか）デストラクタが呼ばれないというのがありますが、今回のケースではPOD型なので問題は起きないと思います。ただ記述として宜しくないですね。修正しておきます。

[berryzplus]

LGTMです。

変更前後で変数名、型、要求サイズに差異がないことを確認しました。

[berryzplus]

チェック資材

diff.zip

[berryzplus]

とくに文句も出てないのでマージしちゃいました。