コマンドラインクラスの基底クラスを変更してテストしやすくする

[berryzplus]

PR の目的

CCommandLineの基底クラスを変更し、テストしやすくします。

カテゴリ

• リファクタリング

PR の背景

#1570 で util/design_template.h を活用するための変更を行いました。

サクラエディタには、インスタンスポインタをグローバルに取得できる独自型が3種類定義されています。

型名	説明
TSingleton<T>	デザインパターン「シングルトン」を実現する目的のテンプレートと考えられる。最初にインスタンス取得したタイミングで生成される。インスタンスを関数内のstatic変数で保持しているので、インスタンス破棄はプログラム終了時に行われる。インスタンス生成をstatic関数内だけで行うための派生クラスの定義に関して細かいルール（≒制約）がある。
TSingleInstance<T>	プロセス内のインスタンス数を制限する。同時に2つ以上のインスタンスを生成することはできない。インスタンスを生成すると記録され、破棄するとポインタがクリアされる。派生クラスの定義に関して制約なし。CProcessの基底クラス。
TInstanceHolder<T>	プロセス内で生成したインスタンスを記録する。特定の順序で生成されたインスタンスを照会できる。インスタンスを生成すると記録され、破棄するとポインタがクリアされる。派生クラスの定義に関して制約なし。CEditDocの基底クラス。

CCommandLineは現在TSingletonから派生しており、挙動を確認するためにはグローバル変数を書き替えたりラッパーを用意したりする必要があって大変めんどくさいです。

PR のメリット

• CCommandLineのグローバル変数を気にしなくてよくなるため、テストが書きやすくなります。

PR のデメリット (トレードオフとかあれば)

とくにおもいつきません。

仕様・動作説明

CCommandLineの基底クラスを TSingleton から TInstanceHolder に変更します。

• friend 宣言が不要になるので削除します。
• コンストラクタを protected にする必要がなくなるので public に変更します。
• アプリコード全域からアクセスできる「最初のインスタンス」を WinMain で確保します。

PR の影響範囲

CCommandLineに依存するテストコードに影響する修正です。

テスト内容

影響を受けるテストコードを修正し、テストにパスすることを確認しました。

関連 issue, PR

#1570

参考資料

[sonarcloud]

Kudos, SonarCloud Quality Gate passed!

0 Bugs
0 Vulnerabilities
0 Security Hotspots
0 Code Smells

100.0% Coverage
0.0% Duplication

[AppVeyorBot]

✅ Build sakura 1.0.3541 completed (commit df96720dd9 by @berryzplus)

[berryzplus]

レビューありがとうございます。マージしちゃいます。