GTPの互換性向上（Lizzie用）

[kaorahi]

Lizzie や LizGoban 上で TamaGo を使えるように, GTP の互換性を改善する案です. (しっかりテストしてはいないので, しばらく試して様子を見たほうが安全かもしれません)

(1) 入力
GTP コマンドの前に ID (数字) がついた入力, たとえば 20 name などに対応します.
参照: 2.5 Command Structure

(2) 出力
ID がついた入力に対しては, = の直後に対応する ID を出力します. たとえば =20 TamaGo のように. また, 失敗時の出力は, = 抜きで ? unknown_command や ?20 unknown_command が標準のようです.
参照: 2.6 Response Structure

(3) lz-analyze
GUI が用いるいろいろな形式に対応します. Lizzie では lz-analyze 10, LizGoban では lz-analyze b interval 20 など. また, allow のような非対応機能は, 無視するのではなく失敗した旨を出力します (LizGoban は起動時にこれらを試して対応状況をチェックします).
参照: KataGo GTP Extensions

(4) undo
GUI 上で手を戻すために必要です. 非効率ですが, 「一旦クリアして初手から直前手まで打ち直す」という強引な実装をまずはしてみました.

なお, 現状では以下の制限があります.

Lizzie の場合:

• あらかじめ Lizzie で [設定] > [表示] > [碁盤サイズ] を 9x9 にしてからエンジンを TamaGo に切りかえないとハングします. これを防ぐには, 「GTP とモデルの boardsize が合っているか」のチェックを client.py に実装する必要があります.
• バージョンチェックの警告が出ます. これを黙らせるには, 初期の KataGo のように, version を 0.15 と詐称する小細工を client.py に実装する必要があります.
• 置き石が TamaGo に無視されます. どうしても置き碁を扱いたければ, 白番をパスしながら手動で置き石を置く必要があります (あるいは (;SZ[9];B[gc];B[cg]) のような SGF を読み込む). これを直すには, GTP コマンドの fixed_handicap を client.py に実装する必要があります.

LizGoban の場合:

• LizGoban は kaorahi/lizgoban@34247f0b7 以降 (もしくは次に出るはずの 0.8.0-pre4 以降) を使ってください.
• LizGoban の config.json に次のような記述が必要です.

{
    ...,
    "preset": [
        ...,
        {
            "label": "TamaGo",
            "engine": ["/bin/python3", "/PATH/TO/main.py", "--model", "/PATH/TO/model.bin"],
            "board_size": 9,
            "komi": 7,
            "wait_for_startup": false
        },
        ...
    ]
}

[kobanium]

マージリクエストありがとうございます。
実装内容と制限事項について、承知しました。

動作確認をしてからmainブランチに反映したいので、Target branchをmainからdevelopに変更していただけますか。

[kaorahi]

お返事ありがとうございます.
ターゲットを develop ブランチに変更した上で, main ブランチ由来のマージコミット 3a5461d をプルリクエストから除きました.

[kobanium]

ご対応いただきありがとうございます。
なるべく早めに動作確認等をして次バージョンのリリースを行います。